日本とモンゴル 
両国間の益々の交流発展を祈念して
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モンゴル国総理大臣補佐官    
ガントゥムリーン・スヘブヤン


 モンゴル国は90年初頭からの民主化、市場経済化へ移行し始めたことで、それまで、旧ソ連を代表とする東ヨーロッパ諸国からの支援が完全に停止し、モンゴル国経済は非常に苦しい状況に陥っていました。
 そのような苦難時代に、日本国政府や日本国民からの温かい支援をいただいたお陰で、我が国は苦しい状況から抜け出すことができました。以降、モンゴルと日本との関係は様々な分野で発達し続けています。モンゴル国経済発展のために、損得抜きで支援を与えてくださった日本国政府と日本国民に対し、モンゴル国民は心から感謝しています。
 我々の関係は政府間レベルだけではなく、公共団体や民間団体レベルにおいても首尾よく発達し続けています。その一つの具体的な例が、マルチン郡と神鋼環境ソリューション労働組合との交流関係です。
 2002年に神鋼環境ソリューション労働組合の井上事務局長(当時)が、私の故郷であるオブス県マルチン郡に訪問されたのを皮切りに、2004年に第1次モンゴル図書贈呈団が訪問。このときメンバーの一員であった冷水真吾さんに教えていただいたバレーボールは今でも子どもたちの記憶に残っています。その後も2007年、2010年、2013年と図書贈呈交流団にマルチン郡を訪問いただきました。
 これまで計4回図書贈呈交流団を派遣いただき、本やスポーツ用品、医療器具など、心温まるたくさんの物資を贈呈いただきました。また、マルチン郡の人々とのバレーボール交流や、日本の子どもたちが描いた絵画の展示、両国の歌をお互いに教え歌い合うなどの文化交流も行ってきました。
 2012年2月には、神戸の兵庫県中央労働センターにて、「第1回大好きなモンゴル展」が開催され、我が郡出身であるモンゴル日本関係促進協会の理事長 S.デムベレル氏が「海を越える交流、そして人々の絆」というテーマで講演すると共に、マルチン郡の子どもたちが描いた絵画が常設展示されました。
 2013年3月には、「第2回大好きなモンゴル展」開催に合わせ、私を団長とした教育施設視察団8名を受け入れていただきました。このとき、日本の小・中・高等学校を視察し、日本の高度な教育制度を見ることができ、また、神戸を初め、京都や淡路島などを訪問し、日本の文化や繁栄を感じ取れたなど、皆様には手厚いおもてなしをいただきました。
 また、皆様のお蔭もあり、同年11月に兵庫県国際交流協会の招聘で、オブス県から中学校の音楽教師2名を研修生として神戸市内の小学校に2週間受け入れていただいたことで、日本の音楽教育を学ばせることができました。
 そして今回、デムベレル氏が2012年2月に続き、デムベレル氏自身の半生を直接神鋼環境ソリューション労働組合の青年たちに語ったことは、大陸国モンゴルの歴史や大自然に加え、デムベレル氏の壮絶な生き様や思想を直接伝えられることができたと私は確信しています。
 最後にモンゴルと日本交流関係にこれまで尽力されてきた関谷久之氏、井上育也氏、大野公一氏、川端健氏、三枝大輔氏を初め、関係者各位に深い感謝の意を表します。15年という歴史を積み重ね、堅実に前進している我々の交流活動を神鋼環境ソリューション労働組合の後継者たちが、更に内容を豊富にさせ、絶えず継続させることを私は堅固に期待しています。
 我々は同じアジアの国民です。我々の友好的な関係が、モンゴルと日本の両国間だけではなく北東アジアの平和に少しでも貢献できることを期待しています。
 皆様の善意へのご努力と益々のご活躍、そして日本とモンゴルとの交流発展を祈念致します。