厳しい自然環境の中で子供たちのための教育に取り組んでいます | |
モンゴル国オブス県マルチン郡小中学校 国語教師 T.ノロフ |
皆さんこんにちは。本日はこのように多数の方に集まって頂き、本当にありがとうございます。 |
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数年前に神鋼環境ソリューション労働組合の皆さんが6月にマルチン郡へ来られたにもかかわらず、大雪が降ったことを覚えているでしょう。マルチン郡は、世界遺産にも登録された大きな塩水湖であるオブス湖と、その南に位置する淡水湖のヒャルガス湖の間にあります。冬はマイナス45度というモンゴルでも最も寒い地域ですが、夏になると最高気温が40度になることも少なくありません。年間の温度差が大きく厳しい自然環境ですが、とても自然の美しいところです。家畜の遊牧に適した大草原から山岳地帯へと続き、オブス湖周辺には、湿地帯もありますが、すぐとなりには広大な砂漠もあり、様々な自然が同居した世界的にも珍しい地域です。こうしたことから世界遺産にも認定されました。 |
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授業が始まるのは9月で終わるのは6月です。また春は家畜の出産時期で、子供たちがその手伝いができるように春休みを一番長くとっています。もちろん夏の間も子供たちは親元に帰って家畜の世話などを行います。最近、家の手伝いに時間をとられて学校に通わなくなる子供が増えてきました。私たち教師はその子供のゲルまで家庭訪問をして勉強を教えることもあります。そうした家庭の親たちに学校に通う大切さを教えることも教師としての重要な役目になっています。 |
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姉妹で力を合わせて薪切りのお手伝いを |
私たち教師の多くも、自分たちの生活を補うために家畜を飼っています。近年モンゴルでは、インフレによる物価上昇に賃金アップが追いつかず庶民の暮らしは苦しくなっています。またウランバートル周辺への人口集中などにより都市部と郡部との格差が大きくなってきています。こうした影響は、地方の教育現場にも影響を及ぼしています。 |
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