バレーボール贈呈のためのモンゴル訪問報告


 昨年12月に急逝された故冷水真吾ユニオン委員(会計監査委員)のご遺族から、私たちユニオンが図書贈呈などの交流を行っている、モンゴル国オブス県マルチン郡の小中学校に対して、バレーボールの寄贈を行いたいとの申し出がありました。これを受け6月21日から26日にかけて、関谷執行委員長と藤崎人事労政部主任部員の2名が同郡を訪問しました。


丘の上から見下ろすマルチン郡中心部の風景

 オブス県は、モンゴル国の首都ウランバートルから、西へ約1200キロ離れた地方の県です。また図書贈呈を行っているマルチン郡は、オブス県の中心地からさらに150キロ離れた地域です。マルチン郡には約700世帯3000人の人たちが住み、その大半は羊や山羊などを飼い広大な草原で遊牧民として暮らしています。郡の中心地には、役場、学校、病院などがあり、そこに努める公務員などが中心地周辺に定住しています。私たちユニオンが図書贈呈を行っている学校はマルチン郡で唯一の小中合同の学校で、子どもたちの多くは草原を遊牧する親元を離れ、学校の寄宿舎で生活をしながら学校に通っています。
関谷委員長からデンスマー校長にバレーボールを贈呈

 2004年6月の第一次図書贈呈団の一員であった故冷水ユニオン委員は、当社バレーボール部のキャプテンでもあり、現地を訪問した際に、子どもたちや教職員の方々と、バレーボールを通じた交流を積極的に図りました。こうした経緯から、今回ご遺族より故冷水ユニオン委員の足跡をいつまでも留めるとともに、マルチン郡の子どもたちのバレーボールを通じた育成を願う思いを込め、バレーボール30球などの寄贈の申し入れがありました。

挨拶を行う、マルチン郡のラグワスレン官房局長
   
 贈呈式は、6月24日午前に、小中学校の校長先生をはじめとした教職員やマルチン郡役場の幹部の出席により行われました。冒頭、モンゴル日本関係促進協会のデムベレル理事長の冷水家からの贈呈品についての説明が行われ、引き続きバレーボール、故冷水ユニオン委員の写真パネルなどの贈呈が行われました。写真パネルについては新しく出来上がる体育教室に掲示されることになりました。


マルチン郡小中学校教育委員会より
贈られた感謝状
― 感謝状 訳文 ―
 モンゴル国の西端に位置するオブス県マルチン郡において、伝統となった両国共同の交流に、あなたのご子息は一番最初に参加したメンバーの一人でした。
 あなたのご子息は、私たちの学校の教職員や子どもたちに、バレーボールという私たちにとって初めてのスポーツを理解し楽しむために、一生懸命に教えてくれました。そのご子息の勤勉さ、謙虚な性格、元気な笑顔は、月日が経とうとも私たちの記憶に永久に残っています。
 今回、マルチン郡でのバレーボールの発展に向け、ご両親より沢山のボールおよび機材が贈呈されたことに対し、子どもたちをはじめ教職員一同が大変喜び、感謝の意を表しています。
 あなたのお心遣いに対して、私たちは将来の若い青年にバレーボールを教え、県の優秀なチームとして育てるために全力で教育に取り組みます。
マルチン郡小中学校教育委員会

 贈呈式を終え帰国後、関谷委員長、藤崎主任部員がご両親宅を訪問し、贈呈式の写真を収めたアルバムを元に報告を行いました。
  また今回の訪問の中で、ツェンドスレン郡長と会見した際に、私たちが贈呈した図書が収蔵された図書室を、次回贈呈団派遣時に「冷水真吾記念図書館」と命名する提案を受けました。私たちユニオンは、故冷水ユニオン委員が第一次図書贈呈団として切り開いた道をいつまでも大事にしながら交流の輪を広げていきたいと考えています。   (ユニオン執行部 記)