ユニオンオープンハウス
    要録集Vol.51の
       発刊にあたって
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神鋼環境ソリューション労働組合 
執行委員長 関 谷 久 之


 「第10号を発行するまで頑張れよ」。
 これはこのユニオンオープンハウス要録集の第1号をある先輩にお届けした際に贈られた言葉です。今から8年前の1999年のことでした。
 それからあっという間の8年間。環境セミナーが14冊、ボランティアや海外視察報告をテーマとしたものが本号も含めて16冊、労働組合の大きなテーマである「働く」ということをテーマとしたものが12冊、労働安全衛生が5冊、ライフプランセミナーが4冊。また趣旨に賛同しほとんど手弁当で駆けつけてくれた外部の講師が43名、そしてユニオン会員の発表者が29名。参加者は延べで1400名を越えました。
 私たちのような小規模な一企業内組合のセミナーに、このように続々と社外の多彩な講師を招くことができたのはただ不思議としか言いようがありません。また、会場の提供も含め側面から応援頂いた会社幹部のご理解があればこそ、ここまで続けてこられたと感謝しています。
 あらゆる組織・集団にとって「人」は「財」であり、とくに次代を担う青年の育成はもっとも大切なことです。また、その組織の中に「青年を大切に育てよう」という風土があり、そうした風土が人から人へと継承されている組織こそが何があっても負けることのない強い組織・集団になれると思います。
 オープンハウスという場で、人の話を聴き、感動し、決意し、そして「考働」に移す。この触発の場の繰り返しが「後輩たちにもそんな場を作ってあげたい」という思いとなり継承されてきたことが、ここまで続け来られた最大の要因ではないのかと考えます。
 このオープンハウスを通じて、労働組合の本来の役割である「働く」ということについてのコンセンサスづくりや労働安全衛生などに対する知見が深まるなど活動面での大きな力となりました。
 またモンゴルへの図書贈呈や子供絵画展などの交流が始まり、地域での環境学習の企画、そして本号で紹介するJCVと連携したボランティア活動等々、いくつかの新しい活動が誕生しました。企業の社会的責任(CSR)が重要視される現在、こうした活動が社会貢献活動の一翼を担うことができればと願っています。
 「私たちは循環型社会の創出に貢献する企業で働くことに誇りを持ち、一人ひとりが自らのビジョンを描き、その実現に取り組む『考働する集団』として、『対話』を重視した『共育』、『共生』、『共鳴』にもとづく運動を行います」。これはこのオープンハウスの中での講師のアドバイスや参加者のディスカッションから生まれ2003年に制定された私たちユニオンの理念です。
 労働組合にとっても、働く母体である会社にとっても、もっとも大切なのは「人財」です。これからも理念にもとづき、あくまでも一人の「人」に焦点をあてた活動を継続させていきたいと考えています。もちろんその中心となるのは「オープンハウス」であると確信しています。