図書贈呈

 6月1日はモンゴルにとって特別な日であり、日本でいう子供の日と母の日にあたる。図書贈呈は、この特別な子供の日を祝うセレモニーの中で行なわれた。予定より30分遅れて朝9時30分、セレモニーが始まった。初めにツェンデスレン郡長、デンスマ校長、デムベレルさんの挨拶があった。挨拶の中で、「モンゴルの西端に位置する我が郡に、神戸より神鋼環境ソリューション労働組合の代表者のみなさんが、遠く離れた道のりを訪れ、二回目となる貴重な図書の贈呈を行なってくれることに対し、心から感謝を表します。未来あるマルチン郡の子供たちは、この感謝の気持ちを忘れず、しっかりと図書を読み勉強し立派な大人へと成長してください」と言われた。
 その後、私たち6人の挨拶に移った。挨拶は全員モンゴル語で行い、まずは大野団長が皆を代表して挨拶を行った。第一声「サインバイノー(こんにちは)」の後、笑顔で「サインバイノー」とマルチン郡の皆が返してくれた。代表挨拶で「マルチン郡の皆さんとの交流を通じてモンゴルという国を知り、異なった文化の交流を行なうことで、少しでも多くのものをモンゴルから得て帰りたいと考えています。私たちができることは僅かですが、こうした交流を末永く継続していくことで、近い将来にオブス県の子供たちが留学生となって日本を訪れ、私たちを訪問してくれるようなことが実現できれば良いと心より願っています。」と語った。団長挨拶の後、残りのメンバーが一人ずつ移動中に練習したモンゴル語で自己紹介を行なった。自己紹介の後、図書贈呈へと移り、図書、医療機器、スポーツ用品、玩具、制服をマルチン郡へ贈呈し、そのお礼として感謝状とバッチの授与が行なわれた。贈呈式の途中に何か熱いものが込み上げ、自然と目に涙を浮かべていた。


ツェンデスレン郡長の挨拶

大野団長のモンゴル語での
たどたどしい挨拶に団員も苦笑い

 さぁ、私たちが移動中に練習に練習を重ねてきた歌を皆に披露する時がやってきた。時間の都合上、選曲は「ふるさと」、「海」、「赤とんぼ」、「世界の国からこんにちは(モンゴル語バージョン)」、「エージーン トゥハイドー(モンゴルのお母さんの歌)」の5曲。赤とんぼを歌っている途中で、会場からは拍手と口ずさむ声が聞こえ、私たちのボルテージも上がってきた。いよいよ最後のお母さんの歌に入った。エネレル子供センターでは失敗に終わったが、全員の心が一つとなり見事大成功。会場からは笑みと拍手がおこった。母の偉大さとやさしさは全世界共通なんだと改めて感じた。
 セレモニー終了後、ツェンデスレン郡長が郡の図書館に案内してくれた。様々な図書が並んでいる中、第1次贈呈団が寄贈した図書も置いてあり、たくさんの人が読んでくれている様子に第2次贈呈団一同喜んだ。(角尾 隆 記)


ステージにあがり日本とモンゴルの歌を合唱

子供の日の式典には約300名の皆さんが集まる
   

モンゴルの民族衣装で昔の子供の遊びを熱演

第1次図書贈呈団が贈った本と本棚