オープンハウス「企業の社会的責任における
『環境』の位置づけについて」
参加者アンケート


No.1 島津製作所における「環境」への取り組みをお聞きになった感想をお聞かせ下さい。
環境と経営をうまく直結させ、収益を上げていってる企業だと感じた。例えば、環境問題についての講演会を奉仕的に行っていくことで、外部(企業・市民・学校などの公共施設)と接点を多く持ち、環境保全・環境リスク回避を率先して行っていくことで、外部から直接、または外部の企業の紹介を通じて島津製作所への顧客が増え、ビジネスチャンスが多くなる。一見、講演会などを奉仕的に行っていくことは、短期的には収益にも結びつかないため無駄な人件費を使っているようにみえるが、目先の損得だけを追求するのでなく長い目で見たときに、企業にとって何が大事なのかを考えている企業精神(企業方針)に感心した。
島津製作所は分析機器を取り扱うという観点では、環境に関係があるが、環境自体への関連度で考えると当社の方が、関連が深いはずであるにも関わらず、当社とこれほどまでに環境への取り組みが異なるのかと驚いた。外部支援活動だけでもあれだけの活動をこなしているということを考えると、島津製作所内でのその他の取り組みも様々な活動を行っているものと思われる。何よりも、外部支援活動を通して、自社だけでなく、周囲の企業、地域に環境への取り組みの輪を拡げるだけの影響力を持つ程に、会社として取り組んでいる姿勢を見習うべきだと感じた。
今回の講演、ディスカッションを通じて印象に残ったことは、講師がご説明された外部組織(他社やNGO等)との交流の中で新たな製品の創出、販売網の拡大等の実績があるという事実です。「環境」や「ISO」という言葉を聞くとビジネスとしてとらえにくく、対外的なポーズとしての役割しか頭に浮かんできませんでしたが、今回の活動で、自分の考え方を改められた思いがします。実際、ボランティアなどで100%自己犠牲的な活動は長続きせず、ある程度の見返りがあったほうがとっつきやすく、長続きすることがわかりました。少なくとも私の視点からは「環境」と「企業活動」は切り離されていたので、その点からも今回参加した意味は大きかったと思います。
意欲的に外部支援を行っており、環境を売り物にしている会社は、本当はこうでなければならないんだろうなと強く感じた。
企業として環境問題、環境ビジネスに対する考え方がしっかりなされ、組織運営、社員への教育等が徹底されている会社と印象付けられた。我が社は、環境をビジネスとしているが、一つひとつに対しては深く知識、経験はあるものの環境全体のプロとしては、まだまだと考えさせられた。個人としては、小さな事をコツコツとではないが、出来ることから少しづつ行っていこうと思う。
非常にわかりやすく、勉強になりました。事業活動上での環境保全は企業の義務であり、本来の技術でさらに環境破壊を止める事こそ企業の社会貢献であると話されていたことに同感です。また、中国向け古紙ビジネスの例を挙げられ、単にゴミを無くすだけでなく、さらにビジネスチャンスは広がるとの話しも、今更ながらなるほどと感心させられました。講師の話し口調に自信が感じられ、環境ビジネスに自信を持って携わっておられるように感じました。また、外部活動を通じて新たなビジネスにつなげようとする島津製作所の企業戦略も感じられ、すばらしいと感じました。
第一印象として、正直びっくりしました。企業活動のなかで、「環境」の位置づけ高すぎると思いました。各企業が、はやく島津製作所殿と同じレベルになることが出来れば大切な資源を次世代へ残すことが出来るのではないかと思います。
ひとつの企業が、環境に対する啓蒙活動を、外部に対して行うことができるのは、奇跡に近いと思います。確実にビジネスに結びついているからこそ、外部に対してもアピールできるし、評価をされるものと考えます。内部にそういうものを持っていないのであれば、市民団体とかに積極的に支援し、スポンサーとして名を売っていくのがよいと考えます。スポーツや、無用な交際費に消えていくのよりも、もっと安価で企業名を周知知らしめることが可能と考えます。講演のなかで、全員「営業」にという言葉がありましたが、大変興味深いあるべき姿であると思います。週3日ぐらい会社に出勤し、残りを社外活動兼営業というのも理想の一つです。20年後にはそんな会社になっていないでしょうか。
「環境」への取り組みは単なる「環境対策」に終わらずに、新たなビジネスの開拓、人材の育成、外部支援など、「環境」をきっかけに経営の改善にうまく繋げていると思います。(「環境」への取り組みというとそれ自身が目的になってしまいがちですので非常に参考になりました。)
島津製作所の環境に関する取り組み方が大変進んでおり、さらにその環境をビジネスとして取り組んでおられることが、大きく影響を受けた点です。弊社は、「神鋼環境ソリューション」と「環境」という言葉が看板につけられているにも関わらず、環境に関する考え方が乏しいと感じました。ビジネスとはチャンスが必要であると考えます。そのチャンスを得るために、島津製作所は環境を通じて、コネクションを広げるとともに、ビジネスチャンスを得ておられると思われます。弊社と島津製作所の違いは、弊社の場合、環境に関する機器、プラント等を直接販売することはあるが、間接的に販売することはないということです。島津製作所は環境に関係するものを直接販売しつつ、環境教育などで得たコネクションを利用しビジネスへつなげている点が、弊社と大きく違う点だと考えます。現段階ではどちらが正しい、間違っているとは決めがたいですが、長期的なビジョンで見るならば、島津製作所のビジネス手法を弊社も見習うべきではないかと考えます。
第1印象は環境経営、環境ビジネスの発想を常に強く持っておられる会社(社風)だと感じました。何処でそう感じたかは次の2点です。(1) 社員の積極的な講演活動=広告宣伝(特に、政府や企業向けに行っている所に付加価値効果がある)、(2) 自ら行動することで環境への取り組みを世間に(主に企業)促進させる働き=企業側の環境への法規制等の遵守=自社製品(計測装置等)の売上増加=結果、島津製作所の業績アップ!(今後、環境市場への参入と販売シェアの確立達成へ繋がっていく。)この2点から、営利企業である以上、志(こころざし)=目的は同じだと感じました。
各企業が環境問題に取り組んでいるがこのような形で自社の取り組みを話すのではなく、社会全体を見ての講演をされている取り組みに対する会社の姿勢にびっくりした。当社は環境を売り文句に商売している会社として、このような取り組みに非常に遅れていると共に、将来ビジネスへの方針(営業的にビジネスにつなげる手法)に考えさせられた。
当社の環境に対する意識レベルの低さを実感した。
外部支援(セミナー等)に取り組むことで、将来的には顧客にしてしまおうという考え方に共感致します。目前の利益だけを考えている様な企業では、今後の社会では生きていけないと思いました。
「環境」を当社とは違う意味でビジネスにしている会社があることに驚いた。
「環境報告書」を見てわかるとおり、島津製作所の環境に対する活動がよくわかる。
 また、環境活動のアウトプットがあり、取り組んでいる社員が「活動をおこなっている」という気持ちが一層強くなり、それが次の活動の原動力になるという好循環を生んでいるのではないでしょうか?
今回の大瀬理事の講演を通じて、大瀬理事や島津製作所の環境に対する意識の高さと行動力、当社にはない観点を持っていることに驚きを覚えました。それは、(1) 島津製作所は分析機器のメーカであるが環境浄化には間接的な接点はあるが、当社みたいに直接的な接点は少ない中で大瀬理事は、環境問題全体に関心を持ちその中で環境を良くするためには何をすべきかを考え行動している点、(2) 外部と積極的に連携や支援をしている点、(3) 管理部門が積極的に環境ビジネスを創出していこうとしている点、(4) 環境マネジメントシステム(ISO14001)を単なる資格とせずに、それを基に従業員に環境に対する意識向上に使っている点です。

No.2 今置かれている立場で、環境負荷低減のためにどのような取り組みをしますか。
(1) 今の業務の中で
ガラス・不燃・可燃物などのゴミの分別収集、節電・節水、裏紙の利用。
現在の業務のように標準化されてしまっている技術において、「環境」を考えて儲けに繋げることは非常に困難に思っていましたが、これから無理と決め付けずに、「コストダウン」と同じくらいの重要度をもって考えてみることにしようと思います。
ペーパレス化(e-mail)の活用。ただし、逆に印刷する枚数が増えたという話もある。
業務として何が出来るかわからないが、自分で出来ることを考え、行っていきたい。
企業が環境問題に取り組むためには、コストと活動とのバランス、また収益を第一目的としなければならない等の意味合いのことを言われていたことがリアルで一番印象的でした。
省エネに協力し、ゴミを減らす方策を個人レベルからできないか考えます。(例えば、パソコンでのテスト印刷を止めることなど)
ISOでの環境活動の徹底(エステなど環境負荷低減につながる製品の販売など)
恥ずかしい限りですが、特に取り組みはできていません。
これまでも顧客から製品に対して何を求めているかヒアリングする事はありましたが、「環境への対策」という項目については抜けていました。
 今後は「環境」というテーマも含めて、顧客の要望を集め製品にフィードバックさせていきたいです。
冷暖房だけに頼らず、窓を開けるなど、空調負荷低減
ムダ紙(コピ−)の使用禁止、節電、リサイクル、エコ製品を積極的に意識して使用。
古紙の利用、昼休み節電を行っている。設備への展開はコスト的に行っていないのが現状である。
節電(OA機器の電源OFF、トイレ照明OFFなど)
環境を念頭においた日常業務への取り組み
講演後インターネットを見て、電線のリサイクルは進んでいる、ということを知ることができた。
 工事で出る廃電線については、廃棄の量も多くないのでほかの産廃同様廃棄していたが、「塵も積もれば山となる」ことを念頭にリサイクルできるよう目指したい。
会社では紙コップを使わずに、自分用のコップを使用している。

(2) 業務以外の私生活面で
ガラス・不燃・可燃物などのゴミの分別収集、室内の温度設定の調節、節電・節水、禁煙
ごみの分別、リサイクルへの協力
極力暖房は使用しない。使用するときは設定温度24度。
私生活で個人が貢献できる大きさはしれていますが、最近、スーパーなどでペットボトルや容器などのリサイクル回収をよく見ます。洗って集めて回収場所まで持っていくのは、大変面倒ですが、出来るだけ参加するようにしたいと思います。
ゴミの分別や、自動車の使用低減など。
こまめに電気を消す。急発進、急ブレーキを避ける。節水に努める。レジではポリ袋を断る。
身近なことから取り組んでいきたいです。(地域活動の参加等により地域の環境の保全に努めていく。)
移動手段の電車の利用(車はあまり使用しない)
節電、節水、ゴミの分別、リサイクル、エコ製品(省エネ)を意識して使用。
環境保全に関する知識(新聞、ニュースなど)をより多く吸収するように心掛ける
昼休みのゴミ掃除への参加
身近なひと(家族とか、いとことか)にも分別推進に関心を持ってもらう。ものを買うときは熟慮し、無駄な買い物は控える。
自家用車を手放し、近所への買い物等には極力徒歩で移動し、その他の場合には電車を利用するようにしている。

No.3 「総合環境ソリューション企業」の企業内労働組合として、今後どのような取り組みが必要ですか。
組合が主催しているようなこのビジョンづくり委員会のような講習会も含めて外部の企業ともっと密に連携をとって行く方がいいのではないかと思う。島津製作所でも外部への講演会をやった当初はなかなか理解されなかったらしいが、外部へ積極的に貢献(島津製作所は環境問題に凄く関心のある会社だよとアピールする)し、長年育て続けたビジネスという芽が育ってきたという感じだったので、外部へ100%注力する必要はないが、たとえ1%でも外部活動支援し、新規顧客を獲得出来ればいいのではないのか。
社内での環境教育にもっと力を入れるべきである。(環境ソリューションという会社名であるのに自分も含めて環境に対しての知識がなさすぎると思う。)
組合員を通じた地域貢献型の取り組み、リサイクル活動等
会社が、環境に対する企業の社会的貢献に前向きではないことが事実であるなら、労働組合が「環境」を真剣に考えて、「会社」に影響を与えていくようにしなくてはと思います。実際、「環境」について無知であることは業務を遂行していく上でマイナスにしかならないと思う。
環境を話題としたオープンハウスをできるだけ多く開催し、多数の組合員に参加してもらい、個々に何かを感じとってもらい、環境に対する意識付けを行っていく事が必要と考えます。多分、会社側はそのようなことは考えていないと思います。
会社側とタイアップで行うセミナー、今回の環境問題、安全問題等、関連組合との同年代交流(現在も行っているかもしれませんが、昨年まで行っていたセミナー感覚で出来れば良いなと思います)
毎週月曜日に行っている会社周辺の清掃活動(クリーンマンデー)のように、まずは地域社会に貢献できるような活動にどんどん取り組んではどうでしょうか。
既にユニオンでは実施されておりますが、業務や年令などの壁を排除し、横のつながりを基に会員の家族へも輪を広げて、家庭レベルからゴミを減らしたり、資源の無駄遣いを無くすなどの啓蒙活動をさらに行っていけばどうでしょうか。
一団体としての活動も重要と思うが、神戸製鋼所グループ及び神鋼連合など、総合的な活動も実施していくことも重要と思います。
近隣のNGO、NPOなどに積極的に参加する。例えば、体験学習会(子供連れ)などへの斡旋など。あいまいな表現ですが、「外に対して地に根を張るような取り組み」が必要と考えます。
島津製作所が取り組んでいるような「外部支援」がよいと思います。「外部支援」により、地域社会に「環境」啓発を促すとともに、密接度が深まると思います。
社員の意識改革が必要と考えます。そのためにも、今回のようなオープンハウスのような取り組みをもっとやっていけばよいのではないでしょうか。
自らもそうなのですがISOを含めて、会社の環境への取り組みの実態整理と把握。環境経営として組合のブロックごとに取り組むか、会社全体で取り組むことかをこの際、この間のISO議論からも思い切って大瀬理事と相談し、環境ビジネスへ取り組むべき方向を決めていければと考えます。
当社に関連する話しは非常に有効だと思うし、今後も継続願いたい。
セミナー(勉強会)等を開催していることを全社的にアピールする。
組合主体の環境キャンペーンの実施。
オープンハウスでも取り上げられましたが、毎週月曜日昼休みに実施している会社前歩道清掃を組合員全員で取り組むべきと考えます。最終的には管理職及び隣の高校生らも巻き込み、灘駅くらいまでは誰かが掃除している風景になれば良いと考えます。(マスコミに取り上げられる。)
当社のISO14001に対する取り組みが、「ビジネスをおこなう上での必要なツールというためだけの位置付けである」ということにならないように、本委員会が環境に対する問題認識の再認識の場となり、その活動を会社側へ提示できるような取り組みが必用。
会社に代わって従業員一人一人に環境負荷低減に対する意識向上を目指した教育や情報発信を継続的に行い、従業員が自然に環境に対する意識を持って業務を遂行できることができ、名実ともに「総合環境ソリューション」企業になるよう取り組む必要があると思います。会社としてはISO14001取得及び維持のために意識が集中し、ISO14001の本来の目的である従業員の意識向上という観点は欠落しているように思えるからです。


島津創業資料記念館を見学しました

 2月28日、ビジョンづくり委員会第1ステージとして、京都市にある¥外字(8251)島津製作所本社を訪問し、環境・安全推進室長の大瀬理事より、「企業の社会的責任における『環境』の位置づけ」について、講演をして頂きました。
 講演後、島津創業資料記念館に移動し、島津製作所の128年の歴史を目の当たりにすることで、同社の環境活動の源泉に対して理解を深めることができました。
 この資料館では、島津製作所の創業100年(昭和50年)を契機に創業者島津源蔵の遺徳を偲ぶために、創業の地である木屋町二条に開設されました。創業以来製造された理化学機械や医療用X線装置をはじめ、貴重な文献、資料が展示してあり、日本の近代科学技術の発展過程を見ることが出来ます。

島津発明品説明写真1 島津発明品説明写真2
創業128年の歴史と数々の発明品について川勝学芸員より説明を受ける

田中耕一氏研究歴1
展示コーナーの最後には、ノーベル化学賞を
受賞した田中耕一氏の研究歴が紹介
田中耕一氏研究歴2