タイでは、神戸製鋼関連の会社5社を訪問しました。
1.Kobe CH Wire(Thailand)
(神鋼関係会社)
バンコク市内の工業団地にあり、現地従業員が130名程度で労使間の交渉も熱心に取り組み、待遇もよいことから従業員の定着率はかなり高い方であるとのことであった。
2.Thai Parts Feeder
(神鋼電機関係会社)
現地従業員が42名で今回の視察した企業の中では最も小規模の会社で、下町の町工場をイメージさせられた。取り扱っている製品は電気製品の部品を供給する機器で、その製品の特徴にも関係するのかもしれませんが、私には非効率的な作業を行っているように感じられました。人件費が安いタイであればこそ成り立っているのだろうと納得をしました。ここでは日本人スタッフが4名で、その内のお一人は16年以上の長期で滞在されており、現在所長役を勤められていました。その長期赴任の結果、タイ人の国民性を十分熟知されることとなり、職場の雰囲気についてもアットホームな印象を受けました。
3.Kobe Electronics Material(Thailand)
(神鋼関係会社)
この会社は遺跡で有名なアユタヤにあるハイテクパーク内に拠点をおき、主に電子部品材料に使用する銅板状製品のスリット加工を行っています。建物が大変綺麗で工場と言うよりは、研究施設といった方が相応しい外観でした。
現地従業員は32名で半数以上が女性が占めていました。タイでは男性に比べて女性の方がまじめで忍耐強く、また、手先が器用なこともあり、職場における女性の割合が高くなっているとのことでした。
Kobe Electoronics Material(Thailand) の全景 |
4.Kobe Mig Wire & Thai-Kobe Welding
(神鋼関係会社)
ここは、溶接棒を製造している工場で294名の現地従業員が働いています。ここでも、勤勉で忍耐強い等の理由で女性従業員が多く、2割程度を占めているとのことで、特に製造工程の重要ポジションには女性を配置しているとのことでした。ここの工場では、製造ラインがしっかりしていて無駄がないのですが、かといって設備を全自動にしているわけではなく、人海戦術により製品づくりが行われていました。これは、自動化のために要する設備費よりもそれに対応する仕事量をこなす従業員の総人件費の方が圧倒的に安いことを示しています。また、作業スピードも人間の方が早いそうです。現在、この会社が製造している製品はタイ国内及び周辺諸国でシェアNo.1の実績で、工場は昼夜2交代のフル稼働を続けており、活気がこちらに伝わってきました。
5.Thai Kobelco Construction Machinery
(コベルコ建機関係会社)
この会社がタイでの最後の訪問先でした。
ここでは建設機械用の油圧ショベルやアタッチメントの製造をしており、生産ラインは自動化こそされていないが、設備は整備が十分に行き届いていおり、無駄がないように感じました。しかし、溶接工程をおえた半製品を見る限り、溶接技術はまだ、発展途上といったところで、日本で検査を受ければ手直しを指示されるのではないかと思います。しかし、工作物が圧力容器ではないためか、タイ国内では十分通用すると現地の方はおっしゃってました。タイでは、日本のように溶接技能に関する公的機関の免許制度がないので自社で基準をつくり、作業員の育成やトレーニングに役立てているとのことでした。
Thai Kobelco Construction Machinery の正門からの風景 |
6.ISUZU Vietnam
(いすゞ自動車関係会社)
ベトナムで訪問しましたのはこの会社で、工場で勤務する現地従業員は266名で内、女性は事務職の14名のみでした。主に、小型商用車、RV車を製造しているのですが、エンジンについて日本からの供給を受けており、工場ではボディーの製造と本体の組み立てを主に行っています。
ベトナムでは、各社のシェアよりも車の普及率をあげることに重点がおかれおり、ここの工場の場合、高負荷で生産が追いつかないときには、隣接するダイムラー=ベンツ系列の工場に、生産を委託する形をとっているとのことでした。また、逆の場合にも同じように生産の委託を受け、2社で能力を補完しあうシステムをとっていました。
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