それぞれのライフイベントに合わせた金融商品の選択も十分考慮していく必要があります。「タマゴを1つのカゴに盛るな」という言葉にあるように、バランスのよい金融商品の組み合わせが必要といえます。イベントごとに「運用の目的」、「必要時期」、「必要金額」を検討して、商品選択の3大特性である「安全性」、「流動性」、「収益性」を考慮していくことが大切です。
まず、「安全性」については、金融商品へ充当したお金が目減りしたり期待していた利益が得られなくなったりする危険がないか?ということでその中に3つのポイントがあります。1つめとして、金融商品を持っていることで生じる利益・利息・配当などが金融経済情勢などにより変わるのか? 2つめとして、金融商品自体の価格や価値が変動するのか? 金融商品のなかには、市場などで価格・相場が決まるものもあります。この2つの特徴がある商品としては、例えば株式や外貨預金が考えられます。3つめとして、取り扱い金融機関の経営状況はどうか?ということで、金融商品を取り扱っている金融機関、発行している会社の経営悪化や破綻によって、金融商品の価値が失われる可能性があるからです。
「流動性」については、どのくらいお金が固定されずにすむか? すなわち必要な時にどのくらい自由に現金に換えられるか? 「流動性」にも5つのポイントがありまして、1つめとして、満期や据置機関があるか? あるとすればどのくらいの期間が必要なのか? 2つめとして、中途解約ができるのか? できるとすればどういう条件で可能なのか? 場合によっては、解約手数料・元本割れということも考えられます。この2つの特徴ある商品としては、例えばMMF(マネー・マネージメント・ファンド)という金融商品があり、これは実績配分の商品であるため、元本は保証されておらず、いつでも解約できますが30日以内の解約の場合、1万円につき10円の信託留保額が徴収されます。またヒットという信託銀行の金融商品は、1ヶ月の据置機関が置かれており、1ヶ月を経過すれば自由に解約できますが、やむを得ず1ヶ月以内に解約する場合は解約手数料が必要となります。3つめとして、換金はスムーズなのか? 店頭ですぐ換金が可能なのか? 事前に申し入れの手続きが必要なのか? ATM・CDでの引き出しが可能なのか? 例えば長期国債ファンドという商品は、解約・買取のいずれの場合も、代金は原則として約定日より4営業日から受け取れるような制度になっています。4つめとして、売りたいのに買い手が見つからないということはないのか?といった株式・債権などの有価証券の売却のケースで考えられます。5つめとして、取扱金融機関へのアクセスはしやすいか? 店舗やATM・CDの多さ、近さを考慮する必要があります。
「収益性」については、その商品で運用することによって期待される利益が多いか? それとも少ないか?という点に着目することが重要です。
一般的に、安全性が高ければ収益性は低く、収益性が高ければ安全性は低いですし、流動性が高ければ収益性は低く、収益性が高ければ流動性は低くなります。それらの特徴ある商品を上手に組み合わせて、最終的には「ノーリスクハイリターン」にできるだけ近づけることが選択の理想といえます。
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