「安全」も「健康」も
「まず自分から」







神鋼パンテツク株式会社
総括安全衛生管理者
山 本 精一郎

 「安全に労使の垣根はない」という認識のもと、これまで会社も組合も安全衛生について様々な取り組みを行ってきましたが、昨年10月の定期総会以降半年間のユニオンの皆さんの、とくに労対委員を中心とした一連の取り組みには、目を見張るものがありました。
 「安全衛生のプロをめざして」の現場パトロール、4回にわたる研修会、自分の会社・自分の職場を快適にするクリーン作戦等々、次々と新しい発想で企画を打ち出し、皆がそれを主体的に自分のこととして参画し、熱心に取り組んでいる姿は、感動的ですらあり、ユニオンの皆さんに心から敬意を表したいと思います。
 こうした皆さんの安全衛生に対する意識の高まりを背景に2002年度の当社グループの安全成績は、重大災害を発生させることなく、また播磨製作所では、1998年の休業災害発生以降、労使一体となった取り組みにより、連続休業無災害記録を達成するなど、この1年は結果として評価できる年でありました。
 しかし、2002年度の反省・2003年度の方針の中で報告し、皆さんも充分理解されていることですが、本当に恐ろしいヒヤリハットや、パトロールでの指摘事項がまだまだ、我々のすぐ身の回りに有ります。一寸間違えば数年前と同じように重大な災害が連続して発生する可能性と隣合わせの毎日であることを常に意識し、油断することなく、この1年、無災害に向けての取り組みを強化し、そのためのリーダーシップを発揮するよう、会社および各事業所の安全スタッフに対して要請したところです。
 とくに今年は、事業の統合により会社全体が新しく生まれ変る大変革の年です。組織も、仕事の仕組みも、人もその役割も様々に変化します。
 何かが変わるということは、その危険の中身や対策も変わる訳であり、人が変われば同じ内容でも、伝え、指示する仕方を変えたり、再確認しないと誤解を生じ、そのことが災害につながります。お互いのコミュニケーションを、これまで以上に大切にしましょう。
 安全と同時に「健康」―身体の健康と心の健康―を守る。これが今年の大きなテーマです。仕事上での病気や悲しい事故を防ぐため、仕事の仕方・与え方、快適な職場作り、健康診断後のフォロー体制の充実、メンタルヘルスケアの推進など会社の責務としてすべきことをきっちりやること、これが課題です。
 安全も健康も指示命令を受けて守り、守れるものではありません。「まず自分から」自分のこととして主体的に意識しないと。また、自分だけでは守り切れない、仲間や組織の助けが無いと守れないものでもあります。
 このことは、私も参加させて頂いたユニオンの第4回労対委員研修会で発表された4つのキーワード、「自分の身は自分で守る!」から始まり「自分の身も仲間の身もみんなで守る!」で完結する、この言葉に言い尽されています。素晴らしい言葉だと思います。
 このキーワードの中の「仲間の身」そして「みんな」は、ユニオン構成員だけでなく、当然同じ職場、同じ会社で一緒に働く全員―上司も部下も同僚も―のことだと考えています。
 この半年間の研修の内容が、これから全社員に伝わり、またその成果が行動として実践されることを期待し、この盛り上りがいつまでも続き拡大することを祈念して、ご挨拶とします。ご安全に!