q_iku[kwik]-Report

第7期前半年度
安全衛生の取り組みについて





執行委員(労働対策部長)
伊 藤 正 樹

はじめに

 ご安全に! 執行部で労働対策部を担当しています伊藤です。みなさん、まずご起立下さい。元気いっぱいに今期の労働対策部のスローガンを唱和しましょう。(全員起立)

「かまえて! 『労対委員が勉強して、安全衛生のプロをめざします!』 ヨシッ!」
(全員で唱和)

 ありがとうございました。ご着席下さい。

 今日は、休日にも関わらず労対委員研修会に参加して頂き本当にありがとうございます。第4回目となる本日は、この研修会を実施するにあたり、企画の段階から大変お世話になっています茶園先生に、シリーズ最終回のまとめとして「災害事例に学ぶ」と題した講演を行って頂きました。
 この研修会のまとめとして、こうした勉強会を行うことになった経緯や、今後のパンテツクユニオンとしての安全衛生に対する取り組みなどについて私からお話しさせて頂きたいと思います。


今期は労働災害撲滅を
最大のテーマとしてスタートしました

 昨年10月に開催した第3回定期総会の中で、第7期2年間運動方針を決定しましたが、その中で「労働災害の撲滅」と「職場環境改善の取り組み」は最重要テーマのひとつとして掲げました。

●第7期運動方針より抜粋
労働災害の撲滅と職場環境改善の取り組み
 安全で快適な職場づくりは、働く私たちにとって極めて重要であり、労働災害の撲滅は労使共通の重点課題であるという認識に立ち、とくに重点をおいた取り組みを引き続き行っていきます。また「安全に労使の垣根はない」という基本的な考え方により開催してきた事業所別安全衛生委員会のさらなる充実に取り組むとともに、労対委員研修会を開催しながら安全衛生知識の向上に取り組んでいくことにします。

 また、この定期総会の冒頭、委員長は安全衛生のとりくみについて「働く場所や担当業務にとらわれることなく全員が安全意識を持つための取り組みが必要であり、今期も労働災害撲滅を最優先課題の一つとして取り組んでいくことにします。」と話をしました。少し長いですが引用させて頂きます。

●第3回定期総会での委員長挨拶の抜粋
労働災害撲滅に向けた全社的な安全意識向上への取り組み
 播磨製作所においては、98年10月の休業災害発生以降、労使一体となった取り組みにより、このたび連続休業無災害1461日の記録を達成することが出来ました。
 来る10月30日には、この成果に対して社長表彰が行われることになりました。このことは、事業部再建をかけたフェニックスプラン実行の最中にあって、職場の一人ひとりが安全に対して真剣に取り組んだ結果として、この場を借りて播磨製作所の皆さんに対して最大の敬意を表したいと思います。
 しかし、一方で私たちが加盟している鉄鋼労連においては、今年の初めからすでに死亡災害が19件発生し、20名もの尊い命が失われています。
 極めて憂慮すべき状況にあり、その傾向も「転落・墜落」、「挟まれ・巻き込まれ」など従来型の災害が大半を占め過去の教訓や類似災害防止に向けた安全対策活動が活かされていない極めて遺憾な状況にあると言わざるを得ないと受け止めています。
 本日は、資料として鉄鋼労連が発行した19件の死亡災害速報を配布していますが、当社の播磨製作所、技術研究所、現地工事現場、そして本社の中においても、いつ発生しても不思議ではないと思われる事例が含まれています。
 ここに集まった一人ひとりが、この尊い教訓を肝に銘じて、絶対に重大災害は発生させないという強い決意のもとで、安全管理の主体者としての自覚を持って取り組んで頂くことを切望いたします。
 当社においても、幸いにして重大災害こそ発生していませんが、9月には技術研究所において不休災害と微災が連続して発生するなど、これまでの工場内と現地工事だけに限れない全社的な安全意識の向上と取り組みが必要な状況にあると言えます。
 このような中、今期はパトロールを重視した事業所別安全衛生委員会の充実を図るとともに、ユニオン側委員である労対委員自身が安全に対する知見を深め、労働災害撲滅に向けた取り組みの当事者としての意識を持つための研修会も開催していくことにします。
 こうした活動を通じて、働く場所や担当業務にとらわれることなく全員が安全意識を持つための取り組みが必要であり、今期も労働災害撲滅を最優先課題の一つとして取り組んでいくことにします。

 こうした執行部からの提起に対して、代議員の皆さんから多くの賛同の意見が表明され、満場一致で運動方針が決定されたわけです。

第7期前半年度の実行計画として
これを決定しました


 定期総会が終わると、私たち執行部は運動方針として決定された内容を、具体的な9項目の実行計画としてまとめました。これが職場のみなさん全員にお配りした「パンテツクユニオンは q_iku[kwik] します」です。その4番目の項目として本日、冒頭に皆さんと唱和したスローガンを掲げました。

q_iku[kwik]-4
  
 労対委員が勉強して
        「安全衛生」のプロをめざします
                 担当:伊藤労働対策部長

 労働災害撲滅と快適な職場環境づくりは、「労働者」にとってもっとも重要な問題であるといえます。こうした問題を担当する各ブロックの労働対策委員(労対委員)が基本的なルールを学んだ上で、安全衛生に対する知見を持って事業所別労使安全衛生委員会に出席できることを目的とした労対委員研修会を実施します。また職場環境づくりについては、「自分たちの働く『環境』は自分たちの手で快適に」を合い言葉として具体的に取り組むことにして、とくに竣工3年目を迎える新本社ビルについては「先輩への感謝」と「後輩への贈り物」という気持ちをベースに「美化キャンペーン」(仮称)を企画します。



みんなで勉強した労対委員研修会

 こうして実行計画も決まり、その責任者を命じられたのですが、私自身、何をすればよいのか、しばらくは手がつかないまま、日にちだけがどんどん過ぎていき内心は非常にあせりました。
 そんな頃に、神戸東監督署の元署長である茶園先生が研修会の企画に賛同して下さり、一気に今回の研修会開催へと話が展開しました。ここで、これまでの3回の研修会について少し振り返ってみたいと思います。

・第1回労対委員研修会(2002年12月7日)
    …自分の身は自分で守る
 「安全衛生について」をテーマに、労働安全の歴史や安全管理の根幹である労働安全衛生法について勉強しました。とくに印象的であったのは、労働安全衛生規則は、「先人の血で書かれた文字」と言われたことです。過去の災害(先人の血)が起こってから、これらの災害を防止するために後追い的に出来た規則であるということです。労働安全衛生規則はいわば災害事例集であり、過去の災害を二度と起こさないように出来てきたのです。また、この研修会でのキーワードは、「自分の身は自分で守る」でした。これは茶園先生が34年間安全衛生に関する仕事に携わってきた中で、「職場の安全衛生」について考える結論であり、自分の身を自分で守るためには、「危険に対する感性」を持ち合わせ、何が危険であるのかを感じ、改善していくことを繰り返すことにより安全衛生が確保されていくのです。この危険に対する感性を高めるためにも、労働安全衛生法や安全衛生に関する法律を学び、安全衛生に対する知見をもつことが重要であると学びました。

・第2回労対委員研修会(2003年1月25日)
    …仲間の身も自分で守る
 尼崎労働基準協会のKYトレーニングコーディネーターである兼松講師をお招きし、「『安全』とは何か、KYトレーニングに学ぶ」をテーマとして講義を受けました。安全はなぜ必要であるのかから始まり、安全活動はどのように行っていくのかという安全管理の実例を勉強し、全員参加によるKYトレーニングの「4ラウンド法」を実習しました。この「4ラウンド法」は、1ラウンドで現状把握、2ラウンドで本質追究、3ラウンドで対策樹立、そして4ラウンドで目標設定を行うことで、作業を行う場合の問題点や危険を抽出し、対策案から目標を設定する手法です。すでに勉強したり実際の業務の中で行っている人もいましたが、事務所部門の委員など今まで経験の無かった委員も経験することができ貴重な研修となりました。また、日常業務の中でKYを行っている委員に対しても、本来のKYは、KYをすることが目的ではなく、KYを行うことで危険に対する感受性や問題解決能力を高めることを目的としているということを学びました。この研修会のキーワードは、「仲間の身も自分で守る」でした。人は、緊張が途切れることやうっかりミスなどヒューマンエラーを起こすものであり、このような場合、自分だけでは守りきれないことがあるので、周りの仲間が「危ない!」と声を掛け、お互いが守っていくことが大切なことです。このように仲間をも守るという気持ちを持ち、自分の体を自分で守っていくと同時に仲間の身を守っていくことの大切さを学びました。

・第3回労対委員研修会(2003年2月22日)
    …組合員の身も組合が守る
 第3回目は再度、茶園先生に来て頂き、「過労死(過労自殺)を防止するために」をテーマとして講義を受けました。ここ数年、労働死亡災害は「絶対に起こしてはいけない」という職場風土が整い「安全文化」というものが出来つつある中、過労死で亡くなる方は急増しています。大きな社会問題の一つであり、行政も過労死の防止へと軸足を移しています。講演の中でいくつかの事例が紹介されましたが、私たちの周囲でいつ起こっても不思議ではないとも言えます。過労死を防止するためには、@長時間労働をしないA健康診断後の適切な処置が重要であることを勉強しました。この研修会のキーワードは「組合員の身も組合が守る」でした。「労働組合としても、今のご時世だから仕方がないではなく、『サービス残業をしない、長時間労働をなくそう』運動を進めていってもらいたい」と講師が力説されたことが印象的でした。社会問題となっているこのテーマに対して「人ごとではない」との認識で具体的なアクションを取ることが急がれると考えています。

・第4回労対委員研修会(2003年4月26日)
    …自分の身も仲間の身もみんなで守る
 そして、本日シリーズ最終回として、先ほど茶園先生から「災害事例に学ぶ」をテーマとした講演をして頂きました。二度と悲惨な災害を繰り返さないために9件の災害事例を学び、命の尊さを勉強しました。この講演のキーワードは「自分の身も仲間の身もみんなで守る」です。茶園先生が最後におっしゃった「双葉にして断たざれば、斧を用いるに至る」という言葉に示すように、小さな危険の芽をひとつひとつ潰していくことが、最も重要であり、その積み重ねが「自分の身も仲間の身もみんなで守っていく職場環境」へとつながっていくことを学びました。

 以上が4回の研修会で学んだことです。私だけではなく、参加された労対委員の一人ひとりが、多くのことを学び感じ、決意されたことと思います。ぜひそのことをパンテツクユニオンとしての今後の活動に生かしていかなければならないと強く決意しています。


これからこんなことを行います

 まずは、この労対委員研修会で学んだ知識を活用し、各事業所における労使安全衛生委員会を充実させていきます。そして長年の懸案事項でありました東京支社における安全衛生委員会も来る5月1日に開催し、以降は月例の定例開催としていくことになりました。こうした労使安全衛生委員会を充実させるためには、ユニオンとしての労対委員会の充実が必要不可欠となり、これまでのように各事業所の問題点や改善点を検討し、さらには、ユニオンとしての安全衛生に対する活動をどのように行っていくべきか、あるいはこんな活動はできないものかという前向きな協議の場にしていきたいと考えています。
 また、これまでも行ってきたユニオン独自の「自主パトロール」を充実させ、全国労働安全週間の準備月間である6月には、本社・技術研究所・播磨製作所にくわえ東京支社内の自主パトロールも行いたいと考えています。着眼点とチェック項目を絞り込み、各事業所の問題点の改善をみんなの手で行っていきたいと思います。ぜひ皆さんの協力をお願いしたいと思います。
 昨年末には、初の試みとして播磨製作所と技術研究所において、正門周辺を中心とした労使合同のクリーン作戦を行いました。会社側の理解が得られれば、労使合同のクリーン作戦は、安全週間と衛生週間それぞれの準備月間における定例行事にしたいとも考えています。また本社においては、本年3月から毎週月曜を「クリーンマンデー」と名付けて、始業前と昼休みを一週交替で清掃活動を行っています。お隣の神鋼病院の労働組合もこの趣旨に賛同してくれて、昼休みの週は合同で掃除をしています。今後もいろんなアイデアを出しながら、自分たちの手で出来ることを着実に行っていきたいと考えています。

まとめ

 今期に入ってからの安全衛生に対しての取り組みをご報告させて頂きました。今後も研修会を開催し、より知識を身に付けていくような活動を行っていきますが、勉強するだけではなく学んだ知識を、実践に活かしていくことが大切であり、その主体者は労対委員であるみなさんです。これまでの前例にこだわることなく、みんなで知恵を出し合って「安全文化の改革」を行うとともに、労使が力を合わせ、より安全で快適な職場づくりにむけた取り組みを頑張っていきましょう。本日はありがとうございました。

ご安全に!

お隣の神鋼病院労組と合同で毎週月曜日を
「クリーンマンデー」と名付け清掃活動を。



ポスターコンクールに寄せられたみなさんの作品です

神鋼連合 佳作

第76回全国安全週間
準備期間6月1日〜30日
本週間7月1日〜7日
東京ブロック
須田真央ちゃん(小2)、梨央ちゃん(5才)
会員 須田龍生さん

第76回全国安全週間
準備期間6月1日〜30日
本週間7月1日〜7日
本社ブロック
宮後順平くん(小3)
会員 宮後靖浩さん
第76回全国安全週間
準備期間6月1日〜30日
本週間7月1日〜7日
本社ブロック
柴田陽菜ちゃん(4才)
会員 柴田浩彦さん

第76回全国安全週間
準備期間6月1日〜30日
本週間7月1日〜7日
東京ブロック
隅 星香ちゃん(小1)、伊吹くん(4才)
会員 隅 晃彦さん
第76回全国安全週間
準備期間6月1日〜30日
本週間7月1日〜7日




第76回全国安全週間
準備期間6月1日〜30日
本週間7月1日〜7日
播磨ブロック
岩橋貴郁くん(小5)、朱音ちゃん(小3)
会員 岩橋孝弥さん
第76回全国安全週間
準備期間6月1日〜30日
本週間7月1日〜7日
播磨ブロック
今吉美優ちゃん(小2)
会員 今吉昌彦さん